第二十九番札所 雀林観音

すずめばやしかんのん

中央エリア:会津美里町
会津三十三観音
国重要文化財
県重要文化財
町指定重要文化財

会津三十三観音第29番札所

会津三十三観音第29番札所 天台宗雷電山法用寺 雀林観音です。
養老四年(720)徳道上人により建立された、会津の中でも最古級の寺で、僧・徳一が恵日寺を開き、会津で仏教を本格的に広める前までは、会津の仏教文化の中枢といえるほど栄えていました。
当初の観音堂は、集落の西に建立されたが大同二年(807)の火災で、堂、仏像が焼失し、その後、徳一によって現在の場所に再建され、十一面観音を二躯造立しています。
この二躯の観音像が法用寺観音堂の本尊として地域の人々に信仰されています。なお、火災により炭化した「火中仏」は現存しているが秘仏ととし厨子に納められています。

御本尊

十一面観音

御詠歌

巡り来て西を遥かに眺むれば 雨露繁き古方の沼

めぐりきてにしをはるかにながむれば あめつゆしげきふるかたのぬま

みどころ
  • 法用寺・木造十一面観音立像、木造十一面観音立像

    木造十一面観音立像は桂と欅の2躯あります。
    1躯は桂の一木彫成の壇像で、頂上化仏まで一木だが台座は別となっています。内刳はなく、瓔珞、胸飾りは墨で描かれている。裳、天衣の彫刻から、地方作ながら藤原前期の特色をよく示しています。
    もう一方の1躯は欅の一木彫成で、体部は頂上の化仏まで一木で作られているが両手から腕の付け根まで別木であります。こちらも藤原前期の作と推測されます。
    2躯とも県重要文化財に指定され、秘仏とし、国重要文化財の厨子に納められています。

  • 法用寺観音堂厨子及び仏壇

    法用寺は会津を代表する古刹で、養老四年(720)開山の縁起を持ちます。厨子に鎌倉時代正和3年(1314)の銘の棟札が蔵されており、記年銘の厨子として会津最古のものです。
    厨子は唐様の大きなもので会津ではこの種の遺例は珍らしいものです。

  • 木造金剛力士立像

    平安後期藤原時代の作。仁王像ともいう。欅の一木造で阿形像が像高224cm、吽形像が216cmあります。
    かつては観音堂前の仁王門に祀られていたが現在は観音堂に安置されています。
    藤原時代のこの作例は全国でも少なく希少な文化遺産とし国重要文化財に指定されています。

  • 法用寺三重塔

    会津に現存する唯一の塔で、安永9年(1780)に完成を見せました。懸柱式、銅葺屋根三層で相輪まで含めると全高約23mあります。初重から三重まで屋根の大きさに差が少ないなど県内にある三塔の中でも最も美しい塔といえます。
    県重要文化財に指定されています。

  • 伝・木造得道上人坐像

    法用寺を開基した名僧得道上人の肖像彫刻で県指定重要文化財です。造像の時代は鎌倉後期と思われカツラ材の寄木造りで目は玉眼で水晶がはめ込まれています。

  • 十一面観音板木

    縦62.3cm、横30cm、厚さ1.7cmの板に十一面観音菩薩像が刻まれており、流れるような衣文と繊細な瓔珞に、左手に水瓶、右手に与願印を結び、数珠をかけ、錫杖を持ちます、像の左に「雷電山法用寺御正躰」、右に「応永4年(1397)丁丑二月九日」と刻まれています。
    長谷寺、志渡寺の原像が失われてしまった今、この板木は古来の原型をとどめる室町初期の彫成された板木とし大変貴重なものです。

  • 銅鐘

    総高102cm口径63.7cmあり、銘文が陰刻されています。
    それによれば文明6年(1474)に法用寺の別当儼海の代、越後国蒲原郡大崎住(新潟県)の妙實と火玉(会津美里町)の大工の合力によって鋳造されたものです。
    蘆名盛高によって寄進されたものと推定され、「虎の尾桜」脇の鐘楼にあります。

  • 法用寺観音堂内三十三観音像(19躯)

    堂内の梁三方の吊り棚に安置されています。
    優婆夷、人非人、婦女身などの像があるが、これらは観音菩薩が三十三の様々な姿に変え、苦悩に悩む者を救済することに由来します。
    もともとは33体あったが現在は19体が安置されています。

  • 「昼夜不退番」板

    天正18年(1590)以降は16坊であったことを示すもので、本寺への当番を割り当てた回覧板だったと推測されます。
    天正17年以前、法用寺全盛期には33坊があったといわれ、会津最大の中世寺院であった可能性が高いです。

  • 法用寺礼盤

    本尊礼拝の際、住職や高貴な身分の人が使用した礼拝座。
    鎌倉時代の製作で、木製で狭間を3区に区切り、各区に鉄鉢形の刳り込みがあります。現在は得道上人坐像の台座として用いています。

  • 銅板製釣灯篭

    総高36cm六角の銅板製。
    会津若松の坂内宗澤實通が慶安4年(1651)に会津の23社寺に寄進したものの1つです。

  • 虎の尾桜

    観音堂前にあるオオシマザクラ系サトザクラ1品種で会津五桜の1つ。
    葉がやや先に芽吹き、花は八重咲きで、おしべが花びら化した様が虎の尾に似ていることから虎の尾桜といわれるようになりました。
    歴代の領主や姫が訪れ、花を観賞したと記録にあります。
    開花時期は4月下旬から5月初め頃。

文化財データ
名称
雀林観音
よみかた
すずめばやしかんのん
エリア
中央エリア:会津美里町 
ジャンル
会津三十三観音 国重要文化財 県重要文化財 町指定重要文化財 
住所
会津美里町雀林三番山下3554
交通
会津高田駅より車で15分
駐車場
あり(10台)
ご案内
集落内は大型バス(45人乗り)まで進入可能。
45人乗り以上の大型バスは、集落内進入できませんので集落入口で待機してください。
お問合せ
会津美里町観光協会
電話
0242-56-4882
前を見る
構成文化財一覧に戻る
次を見る